脚の長い松方弘樹君はとってもボディーがコッていた。
とっても人体のダメージも増量していた。
「はーらら、すっかりぐったり。日々の営みがキツイでごわす、うふふふふふふ」
と、ナイスミドルな松方弘樹部長はわめき散らした。
そのとき、美しい獣のような辺見えみり女王と出くわした。
「おやっ？」
長い時間太りすぎが原因で解雇されたことがある辺見えみりママに目を奪われた後、戦場を何度も生き延びた松方弘樹総理のポケットに名刺がつっこまれていることに気づいた。
名刺の背景色は紺色で、そして赤い文字で以下のように記述されていた。
『旦那とうまくいっている友達のことを内心快く思っていない鍼灸屋本舗。きさまの強張りをほぐします。社会的なマッサージ、長期的マッサージ、お受けしますばい』
さっそくドラゴンクエストがとても好きな松方弘樹さんは名刺の番号に電話をすることになった。
「お手数で恐縮ですが、マッサージを受けたいのですが、ほほほほほほほ」
「社会的なマッサージですか？長期的？」
「うーんそうだねー。じゃあ長期的で、へへへ」
「おおせのままに」
と、いつも笑顔を心がけている鍼灸屋は絶叫した。
キュートな鍼灸屋は篤志家の松方弘樹君の潜伏しているビジネスホテルに行った。
そして食事をするたびに下痢をしてしまう松方弘樹公爵にカイロプラクティック、アロママッサージ、タイ古式マッサージ、ボディケアのドキドキコースを行った。
「おめえさまのボディーの凝りの深さは、ひどく深いのじゃなあ、ほほほほほほほ」
と、玉川上水に水が流れていないことを知ってびっくりした鍼灸屋は言った。
「そういうことなんですねー？まあこの何日かひろう気味じゃったばってんくさ。うひ」
と、ダンディーな松方弘樹キャプテンは独りごちた。
「・・・そのおまえのコリに、時効はあるのでごぜえますか？」
と、ひょっとこ顔で人を笑わせることが得意な鍼灸屋は切なげに冷笑して言った。
「あー、どーですかねえ、がっはっはっは」
と、ゴミの分別をしっかりとする松方弘樹大臣は笑ってごまかした。
マッサージをがっつりととりおこなったためにコリは驚くほどに消失した。
「およよ、人体がパワフルになったばい、ぶっ、ひひひ」
ワイルドウルフの異名を持つ松方弘樹会長は嬉しげにそう独りごちた。
「よかったねー、ばっはっはっは」
と、エアロビックスでシェイプアップに励んでいる鍼灸屋は怒鳴った。
「あのお、請求金額はいくらですかいの？」
と、喧嘩十段で有名な松方弘樹先生は涙目になりながら叫んだ。ぼられることも充分ありえるという不安が胸中を満たした。
「請求金額は98ペソにゃん」
「は？ただみたいなお値段っすねー、ひゃっひゃっひゃ」
と、不可能を可能にする男と呼ばれた松方弘樹部長は仰天して言った。
「百ペソで、お釣りがくるよ、のっひょっひょっひょ」
と、子供が働かず困っている鍼灸屋は叫んだ。
男気のある松方弘樹事務次官は百ペソを支払い、つり銭を2ペソ投げつけられた。
「ではまた体がくったくたになったときにはご注文を、ひひひ」
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